水中バレエ事件

普段は記憶の奥底に眠っていて思い出すことはないのだけど、
たま～に奥底からひょっこりと出てきて思い出すこの水中バレエ事件。

母ちゃんの親はよくいろいろな所へ遊びに連れて行ってくれた。
遊園地も後楽園ゆうえんち、豊島園、向ヶ丘遊園、よみうりランド、そして一番自宅から近かった横浜ドリームランド。
父親が行かなくても母親だけで連れていってくれたりもしていた。

母ちゃんが小学1年生の頃だったかな。
よみうりランドへ行くとたぶんいつも気になっていたんだろうな。
水中バレエ
さすがに小学1年生の母ちゃんもロックです～ではなく、
普通にヒラヒラやリボンが好きな夢見る乙女だったから、
バレエなどという言葉に反応していたんだろう。

母親に
「水中バレエが見たい」 と言ってみた。
すると返ってきた答えが
「アンタ、泳げるの？」
今でもそうだが泳げなかった母ちゃん、素直に
「泳げない」
と言ったら、
「あそこはね、水の中だから泳げる人しか入れないんだよ、泳げない人は見れないの。」
と、言われあっさり却下された。

今思えばきっと見るのが面倒臭かったんだろうな、ウチの母親。
そしてそれを泳げる人しか見ちゃダメなんだと素直に信じた母ちゃん。
(この可愛い心はどこへ・・・)
それっきり、よみうりランドへ行っても水中バレエを見たいとも言わず、
他の乗り物で楽しんでいた母ちゃん。

月日は流れ・・・
実家で見ていたテレビだった記憶があるから結婚前だと思うんだけど、
夕方のニュースでこの水中バレエの特集をやったんだよ。
それまでず～っと忘れていたあのかわいかった小1母ちゃんの記憶が蘇った！

「ねえ、昔さ～この水中バレエ見たいって言ったらアンタ泳げないから見れないよって言って見せてくれなかったよね～」
と、母親に言ってみた。

そしたらウチの母親、ゲラゲラ笑って
「あれ？そうだったけぇ？」
の一言で終わった。

思い出すきっかけてないんだよね～
ある日ふっと頭の中にポカンと浮かぶんだよ、この記憶。
今、突然思い出したから書いてみました。